(元江口接骨院)
2本足歩行の人間は身体の真ん中に軸があり、その軸を中心にして左右のバランスをとりながら生活しています。
これが中心軸動作で、体幹の中心に軸を固定し片足立ちできる『静的安定』です。
一方、二軸動作とは、左右の股関節の上にできる2本の感覚的な軸を交互に切り替える動きのことです。これは重心をスムーズに移せる『動的安定』です。
あらゆるスポーツにおける世界のトップレベルの選手は、この二軸を持っています。日本では、常足(なみあし)身体研究所が二軸の研究を重ねた結果、サッカー・野球・陸上・水泳などのスポーツで世界に通用する選手が生まれたと言われています。
また、日常生活においても二軸を習得することで、腰痛が減少したという研究結果が発表されています。
私は高校生の時から現在までサッカーをやっていますので、サッカーのプレーで詳しく説明したいと思います。
まず走る時ですが、1本線上を地面を後ろへ蹴りながら膝を高く上げ腕を大きく前後に振る中心軸走では、ストライドは広がりますが体幹が左右に捻じれてしまっているので前への推進力が奪われてしまいます。
一方、骨盤幅を保ったまま両足が2本線上を踏みつけながら、足が地面から離れた瞬間に素早く前方に振り出す二軸走では、膝を前へ前へ出す推進力と同時に地面からの反発力も得られるのでトップスピードが落ちません。
次に蹴る時ですが、中心軸では立ち足(軸足)をしっかりボールの横に踏み込んで蹴るので、立ち足に体重がかかり上体は後方へ傾いて下がる。
踏ん張った立ち足に重心が残っているため、次への1歩が遅くなるばかりか、蹴り足は体重が乗らない空足になってしまい強いボールが蹴れません。
一方、二軸では上体は起きたままで、軸は立ち足から蹴り足に切り替わっている。前に振り出された蹴り足にさらに重心がかかるので、その足が次への1歩となるだけでなく、ボールに対して強いエネルギーを伝えることができる。
無回転シュートも二軸を持っていないと蹴るのは難しいです。それから、中心軸は『静的安定』ですが、二軸は『動的安定』ですので、プレー中の瞬時の方向転換や相手選手と接触した時にボディバランスが崩れません。
二軸は、歩き方などの訓練や腰割りなどのトレーニングによって、少しずつ習得していくものですが、e治療院では気エネルギーを使って作ることができます。
しかし、除々に感覚が薄れていきますので、何回か作り直して身体に覚え込ませてしまうことが大切です。